日本茶インストラクターが語る、
日本茶でのおもてなし

お茶のおもてなしの基本は、お客様の目の前で心を込めて淹れることです。お茶選びのポイントや揃えたい道具などを確認し、大切なお客様をお茶でもてなしてみてはいかがですか。
(2016.12.09)

 


お茶と言葉とまなざしは、心伝える三要素

古くから日本人はおもてなし好きで、人に親切にする民族です。お茶も人をもてなす方法のひとつ。甘み・渋味・苦みなど、お茶は淹れる人によって味が変化し個性がでると言われています。お客様を思いながら丁寧にお茶を淹れおもてなしすることで、きっとお客様に喜ばれることと思います。

おいしく淹れて、楽しく飲む

お茶でおもてなしをする際に最も大切なことは、お客様の目の前で淹れるということです。会いに来てくれたお客様を一人にせず、会話を楽しみながらお茶をふるまいましょう。途中で席を立つことのないよう、予め必要な道具を準備しておくことも大切です。
普段のおもてなしには急須で淹れた煎茶を、より丁寧な場合は抹茶や玉露を使用します。煎茶でおもてなしをする場合、上級なお茶は低い温度でゆっくり濃い目に淹れることがポイントです。一方でリーズナブルなお茶は、お湯を冷まさずサッと入れ、香りを引き立てるように入れてください。産地や値段を参考にお茶の淹れ方を変えてみましょう。

上級茶は濃めに、下級茶は薄めに

まず湯飲みにお湯を注ぎ、そのお湯をお茶を淹れた急須に空けます。1分程度経ったら、湯飲みにお茶を等分に注いでください。ここで重要なのは、最後の一滴を絞りきるということです。うま味が凝縮されているので、よりおいしくなります。
お茶でのおもてなしが初挑戦という方のために、必要なもの、そして選ぶポイントをいくつか紹介します。まずは急須ですが、高さがあるものより横に広いものの方がより味が出やすくなっています。湯飲みは季節を考えて使い分けるといいでしょう。冬には冷めにくい筒型を、夏は平型を選びます。また、上級なお茶には小ぶりなものを使用するといいでしょう。最後に湯冷ましですが、こちらは湯飲みや急須などで代用することができるので、必ず必要というわけではありません。用途としては、お湯を冷まして温度を低くする、湯飲みに注ぐ前に一旦湯冷ましに空けることで味を均等にするなど、お茶をよりおいしくするために使います。
茶葉には山のお茶と里のお茶の2種類があり、それぞれ特徴が分かれています。里のお茶はカテキンの渋みを押さえるため、深蒸し製で黄緑色で粉っぽくまろやかな味わい、山のお茶は若蒸し製で深緑色で形が整い、さわやかな香りが特長です。香り・味などのバランスを考えると2つがミックスされたブレンドを選ぶのがおすすめです。

お茶を淹れて五感を磨き、健康を保つ

日本茶は自由度が高いので、個人の発想でお客様を楽しませながら淹れてみてください。また、近年は健康寿命を伸ばすことを目指す人が多くなってきました。日頃から茶量・湯量・湯温・時間の四つの加減を駆使してお茶を淹れることは、五感を磨き、健康的な生活を送ることにつながります。
最近、水出しの淹れ方が注目されていますが、急須で5分以上時間をかけると、上級な煎茶ほどうまみのテアニンがよく出て甘くまろやかな味わいになります。水出しの効能として、風邪などの病気の予防に役立つ免疫力が高まるという報告もあります。浄水器の水を使用すれば、さらにおいしさが際立ちます。
お客様もそして自分も楽しいお茶のおもてなしを試してみてください。

日本茶インストラクター 渡辺 栄一さん (山大園 代表取締役)

1969年に大学を卒業し実家の山大園に入社、1996年に四代目社長に就任。2000年、日本茶の普及を目的に設立された日本茶インストラクターの資格を第1期生として取得。地元のテレビ、ラジオや新聞はもちろん、食や農業の業界紙、NHKなどにも出演。「お茶はおいしく淹れて楽しく飲む」をモットーに、過去多数の呈茶講演を、国内だけでなく海外でもおこなってきた。「憩いの茶の間」の復活を目指して多方面で活動している。



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