鍋炊きご飯の美味しい炊き方

高価格ハイパワーの炊飯器が人気ですが、鍋でご飯を炊く人も確実に増えています。
鍋は短時間で炊けると考える人がいますが、それは間違いです。
正しい炊き方、美味しく炊くコツなどを説明します。
(2017.7.21)

 


一度に炊く量が少ない場合や、食感の好みなどを理由に、炊飯器ではなく鍋で炊く人が増えています。その人たちのお話を聞いていると、鍋は短時間で炊けるという意見を聞くのですが、実は大きな間違いです。
お米には研いだ後に浸水させる時間、さらに炊き上がった後に蒸らしの時間が必要です。この時間はお米の粘りや美味しさを引き出すために省くことが出来きません。
お米を炊く手順を確認しながら、省略できない理由、お米を美味しく炊くポイントなどについて、説明していきます。

お米の保存方法

お米は1食分ごとに密閉できるチャック付の袋に入れて、冷蔵庫の野菜室の底に敷き詰めて、常時冷やしておいてください。
研ぐときは、冷たく冷えたままの状態から、ボウル等(土鍋で研ぐことは出来ません)に移して研ぎます。

1.お米を正確に、シッカリと計る

炊飯器に付属している計量カップに山盛りに入れてカップを左右に軽く振り、割り箸などでカップの淵に沿って余った部分を取り除きます。これが1カップです。
1カップであれば、大した違いにはならないのですが、2~5合と量が多くなると誤差が大きくなり、毎日の炊き上がりにばらつきが出てしまうので、計量はシッカリとおこなってください。
☆お湯研ぎは駄目です☆
お米をお湯で洗うと、米粒の温度が上昇してしまい、アミラーゼという酵素が働き始め、お米のデンプンが糖に分解されてしまいます。
糖は水に溶けやすいことから、すすぎ水と一緒に流れ落ちてしまうので、甘味の少ないご飯が炊きあがります。
どうしてもお湯を使用したい場合は、水温30℃前後(夏場の水温)程度にしてください。

2.お米の汚れを取る(すすぐ-1)

ボウル等正確に測ったお米を入れ、素早く浄水器を通したお水(最初は必ず浄水した水を使う)を注ぎ込み、全てのお米が水に浸かるように軽くかき混ぜたら、すばやく水を捨てます。この間は10秒程度です。

お米の汚れを取る(すすぐ-2)

もう一度 ボウルの中に素早くお水(これ以降は、水道水でもよい)を入れて、全てのお米が水に浸かるように軽くかき混ぜたら、すばやく水を捨てます。
通常は2回繰り返して終わりですが、精米してから時間が経ってしまったお米や、あまりにも汚れた水が出るようでしたら、もう一度だけ繰り返します。3回すすいだとしても1分程度です。

3.お米を研ぐ

すすぎが終わり、ほぼ水が切れた状態になっているボウルの中のお米に、ソフトボールを握るような形に指を広げて差し込みます。
お米を泡立て器でかき回すように一定のリズムとスピードを保ちながら、お米同士の摩擦で表面を研磨するようなイメージで、シャカシャカと20回程度(最大でも50回)かき回すと、研ぎ汁がボールの下に溜まってきます。
☆研ぐこつ☆
精米技術が進歩したため、精米済みのお米にはほとんどヌカは付いていません。昔のように、ゴシゴシとお米を研ぐ必要はありません。研げば研ぐだけ、お米にダメージ(割れてしまう・べた付いて炊き上がる等)を与えてしまいます。

4.すすぐ

お米を研ぐと、乳白色の研ぎ汁がボウルの下に溜まってきますが、そのままでは濃すぎて洗い落とせませんので、素早く新しい水(水道水でもよい)を注ぎ込んで2~3回かき混ぜ、研ぎ汁を薄めてから流します。これを2回繰り返します。
☆乳白色の水☆
お米を研ぐと、乳白色の研ぎ汁が出てきますが、これは酸化したお米の表面が剥ぎ取られたり、デンプンなどが水に溶け出したものです。

5.もう一度研ぐ

もう一度(4)と同じ要領で、一定のリズムとスピードでシャカシャカと音を立てながら、ただし今度は10回程度(1回目の半分)かき回す。

6.もう一度すすぐ

1回目よりも研ぎ汁の乳白色はかなり薄くなるはずですが、必ず新しい水(水道水でもよい)を注ぎ込んで2~3回かき混ぜ、研ぎ汁を薄めてから流してください。これを2回繰り返します。

7.お水の濁りで調べます

すすぎが終わった後に、もう一度だけお水を入れます。このお水が、薄く濁っている程度であれば、完全に研ぎ切れています。これ以上は、お米にダメージを与えていくだけなので、絶対にしないでください。
濁り水が気になる場合は、すすぎのみを数回繰り返してください。

浸水させる理由

美味しいご飯を炊き上げるためには、お米のデンプン質をアルファー化(糊化)させる事が重要なのですが、そのためにはお米を浸水させなければなりません。
洗米して直ぐ炊くと、お米の表面だけがアルファー化してしまって、熱が中まで届かず、芯のあるご飯に成り易いからです。

お米を浸水させる時間は、夏場で20分、冬場は1時間~1時間半、春や秋は45分くらいを、ひとつの目安とし、後は、炊き上がったご飯が柔らかいと感じるのであれば短く、硬いと感じるのであれば、長めに調整してください。

鍋の場合は、水加減や火加減でのコントロールも出来ますので、色々な方法で何度か試してみて、自分の好みに合った炊き方をみつけてください。

お米が吸水したかのチェック

吸水中のお米を一粒取出して親指の爪の上に乗せ、もう片方の親指の爪で押しつぶしてみます。
簡単にポロポロとした感じに潰れたら、吸水は充分ですので、直ぐに炊いてもかまいません。
潰れなかったり、まだシンが残っていたりした場合は、もう少し吸水させて下さい。

ザル上げは禁止

ザル上げを必要とするのは、ガス釜や土鍋を使うために水加減を正確に計りたい場合、だし汁などを入れたい場合、炊き上がったご飯に余分な粘りを出したくない場合などです。
ザル上げすると、台所のエアコンの風やコンロの熱の影響などを受けやすく、偏って乾燥したり、水分が無くなってしまうことでお米が割れ、お釜の下だけご飯が糊のように炊けてしまうことがあります。
正確に水加減を計りたくてザル上げをする場合は、お米が外気の影響をうけないように、濡らした布巾でザルを完全に覆ってください。布巾が乾燥すると、お米は外気の影響を受け始めます。
お米の量にもよりますが、時間は最長でも5~10分程度、後はご飯の炊きあがり具合で調整してください。

美味しく炊くための火加減

「はじめチョロチョロ、なかパッパ、ふきはじめたら火を引いて、赤子泣いてもフタとるな」ご飯を美味しく炊くためのコツとして伝えられた昔からの言い回しですが、今でも鍋や釜などで炊く場合はこの通りです。

一番大切なことは、沸騰した時に火を細めますが、その後、出来るだけ沸騰時の釜内温度を維持するということです。そのため、鍋や釜もなるべくなら厚手で深さがあるものを使ってください。
火力が強すぎると、表面だけが硬くなったり、おこげが出来たりします。
逆に火力が弱いと、お米をゆでるような具合になり、柔らかめに炊きあがってしまいます。

炊いているときに、下から上に蒸気が抜けでて、ご飯の表面全体にかに穴が開いていて米粒が立って炊き上がっていれば、美味しくできた証拠です。

蒸らしの重要性

近頃の炊飯器は、自動で適度な「蒸らし」まで行ってくれるため、ついつい忘れてしまいがちですが、鍋の場合は蒸らしも全て自分でやらなければなりません。

「蒸らし」は、加熱終了後にお釜を95度まで下げることを言い、これにより、釜の中のご飯粒の膨張率を均一化し、米粒中の水分を均等に行き渡らせることで、全体の炊きムラがなくなります。

また、蒸らし時間を取らないと、冷めてしまったときに米粒に芯がある硬いご飯になりやすく、蒸らし過ぎてしまった場合は、柔らかくべた付いたり、団子になってしまいます。

ほぐしの大切さ

「ほぐし」とは、炊きあがり、蒸らしが終わった直後に行う大切な作業です。
「ほぐし」をすることで、ご飯粒の表面の湯気が拡散・飛散され、そうすることで表面が冷やされ収縮し、保水膜が米粒の皮膚がわりとなって、旨味の増した食感となります。

「ほぐし」を忘れたりタイミングを間違えてしまうと、不必要な水分が水滴となりご飯粒の表面に付くことで、表面のでんぷんを壊してしまい、糊のような食感となってしまうので注意が必要です。この状態を「釜返り」とか「生戻り」などと言います。

1.炊きあがり、蒸らしが終わった直後に蓋を開ける
2.鍋の中の、余分な蒸気を逃がす
3.鍋の縁にしゃもじを入れて、沿ってしゃもじを1周させて、鍋とご飯を切り離す
4.ご飯に上からしゃもじを差し込み、そのまま引くようにして、ご飯を十文字に切る
5.その1/4を、3/4のご飯の上に持ちひっくり返して、ふっくらとのせる
6.ふっくらと乗せたご飯を、空気を入れるような感じで、切り開くように、ふっくらと広げる(混ぜる)
7.ご飯に余分な水分が落ちないように、布巾を入れて、速めに食べきる

炊飯器で炊くときと基本的には同じなのですが、鍋ならではの注意点があり、そこに気を使うだけで、炊き上がりのご飯の美味しさがかなり違ってきますので、是非一度お試しください。



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