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日本酒きき酒師が教える「日本酒」と「水」の関係①

名酒の誕生に名水の力あり!日本酒の味が決まる「仕込み水」って何?

まずは日本酒の造り方をチェック!

Step1 日本酒の成分の8割は水です!

日本酒は水と米が主原料で、成分の80%近くが水です。
つまり、おいしいお酒をつくるためには、何よりも良い米と良い水が必要不可欠。
お米のおいしさも水に左右されますから、日本酒のおいしさの真髄は、まさに水にあるといっても過言ではありません。
日本酒の製法の中で、とくに水とのかかわりが多いのは、まず「洗米」。
「精米」された米を蒸す前に洗いますが、米の表面をたくさん削っている場合は洗米をすると米が水をたくさん吸い込みます。
まずはこの時点で水の影響を受けるのです。

Step2 軟水と硬水で味の仕上がりが変化!

洗米し蒸された米は、一部を「麹米(こうじまい)」(米のでんぷんを糖に変えてくれる)に、一部を「酒母(しゅぼ)」(酵母の集まりのことで糖をアルコールに変えてくれる)に割り当てます。「酒母」造りにも水の成分が影響されます。
水に含まれるミネラル分が酵母の働きを助けてくれるからです。
良質の「麹米」と元気な「酒母」に、さらに蒸し米と水を3回に分けゆっくり丁寧に加え(三段仕込み)「もろみ」を造ります。
ここでも水の違いによって酒の味が変わる瞬間でもあります。
たとえば、軟水ならば優しい味わいの滑らかな酒に、硬水ならば骨格のしっかりした濃い酒に仕上がるという具合です。

Step3 清らかな水がお酒の色と味を守る!

十分に発酵が進んだら「もろみ」を絞り「清酒」と「酒粕」に分けます。この時の酒は「原酒」です。
これに「割水」としてさらに水を加え味わいやアルコールの調整をします。ここでも水が重要です。
もっとも嫌われるのは、酒の色や味を壊してしまう水の中の「鉄分」。酒造りにかかわる仕込み水は鉄分のない清らかな水が必要とされるのです。
「割水」をし必要に応じて「火入れ」「濾過」を行い、「瓶詰め」され商品化されます。
場合によっては「熟成」をしますが、熟成によってアルコールと水の分子が溶け合ってよりまろやかに楽しめます。
約2000年前から日本人が取り組んできた酒造りは水文化の賜物といえるのです。

日本酒の製造工程

酒造りのポイントがわかったところで、
全国の名水から造られた名酒をご紹介します!

酒造りには上質な水が欠かせません!

全国の名水百選からピックアップ!日本酒きき酒師がすすめる名水&名酒とは!?

ひとくちに水と言っても、地域によってそれぞれの特徴があり、味や口あたりも異なります。
そこで、日本の名水を活用した代表的な日本酒の中から、
友田氏がおすすめする商品をいくつかご紹介。
名水を通じて名酒の魅力に迫ってみましょう。

全国各地の名水にはご当地ならではの魅力が!

兵庫県

名水 宮水(みやみず) 各地の酒造家がこぞって取り寄せた名水 × 名酒 福寿純米大吟醸 720ml 上品で綺麗な香りと芳醇な味わい

江戸時代の末期に、西宮のえびす神社近くの井戸水が、酒造用水として非常に優秀という評判を集めたことから有名になりました。当初は「西宮の水」と呼ばれていましたが、略されて宮水と呼ばれるようになりました。硬度が高くて燐の含有量が多く、鉄分を含まない酒造用に適した水質が特徴です。

DATA

種類

地下水

場所

兵庫県西宮市久保町

水は名水百選「宮水」を使用し、酒米は兵庫県を代表する「兵庫夢錦」を磨き上げ、低温でじっくり時間をかけて醸した純米大吟醸。上品で綺麗な香りと芳醇な味わいが特長です。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2012」で最高金賞を受賞。イギリスやドイツなどの国々にも出荷され、ワールドワイドな人気を集めています。

お問い合わせ

株式会社 神戸酒心館

TEL

078-841-1121

大吟醸らしく青リンゴのようなフルーティーな香りだが、
純米酒らしく華やかすぎない落ち着きのある印象も。
硬水「宮水」の本場、灘の酒らしく、きりりと引き締まった辛口で米からくる旨味を感じる芯のしっかりした味わい。
白ワインと同じように冷やして楽しみたい。乾杯のお酒にも。

佐賀県

名水 清水川(きよみずがわ) ホタルが集まる、天山の豊富な渓流 × 名酒 七田(しちだ) 純米吟醸 1,800ml 清酒の力強さと優しさ、包容力が味わえる

天山の豊富な湧水を、佐賀の小京都「小城」へと運ぶ清水川。地元住民の水道水源やいけすとして利用されています。上流には西日本随一と呼ばれる「清水の滝」があり、夏は避暑に多くの人が訪れる観光スポット。5月下旬~6月上旬には、清水川と下流の祇園川に数十万匹の源氏ボタルが舞い、その水質と自然の豊かさを物語っています。

DATA

種類

河川

場所

佐賀県小城市小城町清水

蛍の名水、天山山系の伏流水と地元佐賀県産の酒米で仕込んだ純米吟醸酒。とくに仕込み水は、天山の中腹から清冽な湧き水を専用の水道で蔵まで導くほどのこだわりぶり。白桃を思わせるみずみずしくさわやなか香りと、酒米の旨みと酸味の絶妙なバランスを堪能することができる逸品です。

お問い合わせ

天山酒造株式会社

TEL

0952-73-3141

しっかりと旨味を感じられるのが「七田」の魅力。
濃厚だけど洗練された香りと味を持つのがこの純米吟醸。
佐賀の水と米をふんだんに使った贅沢な造りがうれしい。
余韻には心地いい香ばしさがあり、後を引く旨さ。
和食のみならずイタリアンやフレンチとの組み合わせもおすすめです。
白ワインと同じように冷やして楽しみたい。乾杯のお酒にも。

山形県

名水 月山山麓湧水群 (がっさんさんろくゆうすいぐん) 名峰の地層で育まれた雪解け水の恵み × 名酒 銀嶺月山 雪中熟成 純米吟醸酒 1,800ml 雪国ならではの限定品

東北が誇る名峰「月山」。その万年雪が地中に解け出し、周辺のブナ原生林などの自然に蓄えられながら、400年とも言われる年月をかけて地表に湧き出しています。その水質は炭酸ガスや酸素、ミネラルを適度に含んだ口あたりの良い軟水。地元西川町では、水道水源にこの清涼感のあふれる湧水を使用しています。

DATA

種類

湧水

場所

山形県月山山麓一帯

月山山麓湧水群の水を仕込み水として用いて、雪深い月山で、厳寒期に仕込んだ純米吟醸酒の原酒をタンクのまま雪中で熟成した限定醸造酒。なめらかな味わいが女性からも人気を集めています。紫外線遮光率99%の袋に入れて商品をお届けするほど、デリケートな風味が持ち味です。

お問い合わせ

月山酒造株式会社

TEL

0237-87-1114

みずみずしい完熟洋ナシのような香りが清らかな雪解け水を連想させます。
低温熟成による滑らかさと米の旨味がバランスよく、
スムーズな口当たりは日本酒初心者の方にもお勧め。
まずは冷やして。続いて常温で。
さらにはぬる燗でもお楽しみいただける許容量の広さも持ち合わせています。

次は、日本酒と水の「いい関係」に、さらに迫ります。
日本酒をもっと美味しく楽しむための、粋な水の活用法とは…?

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教えてくれるのは…

日本酒きき酒師 友田晶子

トータル飲料コンサルタント。日本酒、焼酎、ワインなどのアルコール飲料と、それに関わる食に携わる。日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会認定日本酒きき酒師であり酒学講師。米どころ・酒どころの福井県出身。ワイン輸入販売に携わったことをきっかけに、フランス留学を決意。ボルドーなどで語学とワイン醸造を学び、帰国後は日本酒や焼酎の分野にも世界を広げる。現在、業界25年のキャリアを活かし、酒と食に関する一般向けセミナー、イベントの企画・開催、輸入業者や酒販店・料飲店・ホテル旅館などプロ向けコンサルティングを行っている。また、世界初のバイリンガル日本酒本『世界に誇る 品格の名酒』などの執筆活動を行い、エッセイストとしても人気。