五ツ星お米マイスターが伝授!
玄米の美味しい炊き方

女性を中心に根強い人気があるのが玄米ですが、玄米は炊き上がっても硬いもの
よく噛まなければいけないもの、ボソボソするものというイメージを持っていませんか?
(2016.12.20)2020.4.17更新

 


土鍋や鍋で炊くと、全体的に火力不足という感じになってしまい、硬さが残り、食感や喉越しが良いとは言えません。これが、噛む回数が少なく、直ぐに飲み込んでしまう多くの男性にとって「玄米が苦手」といわれる所以なのだと思います。女性の場合は逆に、このプチプチとした食感が好きという方が多いのも事実です。
しかし、玄米であっても、柔らかく炊き上げるようにしなければ消化不良になることも多く、かえって身体への負担が増えてしまいます。したがって、米粒の中までしっかりと加熱できる圧力炊飯器や圧力鍋を使った方が良いでしょう。ただし、そうするとモチモチ感が出てしまい、プチプチした食感は無くなってしまいます。
最終的には、どちらの食感が好みかという事に尽きるのですが、どちらにしても、玄米としての美味しさを引き出さなければ意味がありません。そのためには、やはり保存・研ぎ方・炊き方のコツを知って頂きたいと思います。

玄米の基礎知識

女性誌などには、玄米はすすぐ程度で良いと書いてあることが多いのですが、実は、玄米ほどシッカリと研がなければならないのです。
まず基礎知識として、玄米とは米粒の外側にあるもみ殻を取り除いた状態のお米です。そして白米と比べると約8倍もの食物繊維を含んでいます。ご存知のように、食物繊維は便秘の解消、体内の余分なコレステロールや糖分などの排出を促す働きをします。さらに体を整えるビタミンB群や鉄分、ミネラルが多いので、美容と体調管理、生活習慣病の改善に役立つと言われています。
しかし、繊維質・ビタミン・ミネラルは鮮度が大切なので、常温の場所に長期間置いたままにすると、炊いた時に硬いだけでなく、糠臭ささも強くなってしまいます。
「白米より日持ちが良さそう」と思われがちですが、沢山買った時には正しく保管するようにしてください。

玄米の保存方法

玄米であっても白米と同じで、1食分ごとに密閉できるチャック付の袋に入れて、冷蔵庫の野菜室の底に敷き詰めて、常時冷やしておいてください。
研ぐときは、冷たく冷えたままの状態から、白米では使用しない金網のザルを使って、その網目に擦り付けるようにして研いでください。
それでは、順を追って説明していきます。

1.玄米を正確に計る

冷蔵庫で冷やされた玄米を、冷たいまま、炊飯器に付属している計量カップに玄米を山盛りに入れてカップを左右に軽く振り、玄米をカップの中に詰め込んでから、割り箸などをカップの淵に沿って滑らし、余った部分を取り除き、これが1カップとなります。

2.お米をすすぐ

金網のザルに正確に計量した玄米を入れたら、ザルごと入る大き目な別のボウルに、冷蔵庫で冷やしたお水(浄水)を入れ、その中にザルごと研いだ玄米を入れて、全ての玄米が完全に濡れるように素早く数回かき回し、玄米の表面の汚れを落とします。

3.お米を研ぐ

すすぎが終わり、ほぼ水が切れた状態のザルの中の玄米を、やや強めにゴシゴシ・シャカシャカとザルの網目に擦りつけて、玄米の表面の繊維質を筋切か、表面を一皮剝ぎ取る様な感覚で、100回程度研ぎます。
しばらく研いでいると、金網の下に薄茶色の水が出てきます。

4.すすぐ

別のボウルに水を張り、その中にザルごと研いだ玄米を入れて、薄茶色の研ぎ汁を薄めて2回すすぐか、玄米に直接水をかけながらすすいでください。(水道水でも良い)

5.玄米の状態を確認する

研いだ玄米の表面に傷がついているか、一皮剥けているかを確認したいので、玄米を数粒指に取り、玄米同士を擦すり合わせてみてください。
まだ研げていない場合は、玄米同士がツルツルと滑ってしまうのですが、研げていれば玄米同士が引っかかり、ザラザラとした感覚になっているはずです。
まだツルツルとしていると感じる場合は、もう少しザルに擦り付けて研いでみてください。

以上で玄米の研ぎ方は終わりです。

なぜ玄米を研ぐのかというと、玄米の表面にあるヌカ層は硬いため、研がないと硬さが消えずにボソボソとした食感になるためです。金網に擦り付けることによって、この硬いヌカ層が裁断され、表面に細かく傷をつけることができます。

この効果によって、炊いている時に玄米の傷口から米粒内に水が浸透しやすくなり、すすいだだけの玄米よりも一回り大きく膨らんで、甘みも強く、口当たりのボソボソ感のない玄米が炊き上がるのです。さらに、硬いヌカ層を裁断し、細かく傷をつけるので、消化も良くなっています。

6.炊くときのコツ

白米と違い玄米は吸水に時間がかかります。炊飯器を使用する場合は、必ず「玄米」モードで炊くようにしてください。(吸水と炊飯の水は必ず 浄水した水を使う)
炊飯プログラムによって、浸水・炊飯・蒸らしまでが自動となっていますので、研ぎたであっても上手に炊き上げてくれます。
それでも炊き上がりがボソボソするようでしたら、2時間程度浸水させてから炊いてみてください。
玄米であっても硬さを感じず、もっちり食感に炊けているはずです。
(水加減を多めにしても、同様の効果が得られる場合もあります)

土鍋で玄米を炊く場合

土鍋や鍋でも炊けるのですが、炊いている時間と火力のバランスを取る事が難しく、どうしても硬めに炊き上がってしまう事が多いようです。
そうなってしまうと、消化が悪いためお腹に負担がかかってしまう事もあります。
その場合は、ザルで研ぐ時間を長くして、玄米の表面の繊維質を細かく断ち切ると良いでしょう。

土鍋や鍋等で炊く場合は強制的に圧力がかからないため、玄米粒の芯まで吸水させ、玄米を柔らかくする必要がありますので、9時間程度浸水させてから炊いてください。
9時間以上の場合、浸水しているお水に、雑菌が出る確率が高くなりますので、お塩を一掴み入れるなどの対策を取ってください。

タッバやビニールに入れて、冷蔵庫に入れて浸水させる方法もあるのですが、長時間浸水させたお米は、土鍋に移し換えたりする際に刺激が加わる事で、割れたり砕けたりしてしまいますので、避けた方が良いと思います。

お米の美味しい炊き方【玄米編】はこちら >>

五ツ星お米マイスター 西島 豊造さん
(スズノブ 代表取締役)

1988年に家業の米屋「株式会社スズノブ」を継ぐ。大学時代に得た「土」の知識、北海道で得た「農業土木」の知識、産地を回って得た現場の知識、歴史から紐説いた知識など、膨大な米に関する知識を活かし、お米のソムリエ、お米博士として、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌などに多数出演。お米の新しい時代を作りたいというビジョンのもとに、独自プロジェクト「Suzunobu Project Rice」を立ち上げ、産地の特徴を活かした地域ブランド米作りや地域活性化にも携わっている。



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