
水で味を中和して作る
「クエとフェンネル」
【潤いのレシピ】
第12回・藤澤進大郎(夕食編)
有名シェフの素材への向き合い方を聞きながら、日々の食から暮らしに潤いを与えるようなレシピを朝・昼・晩と三食ご提案いただく連載企画【潤いのレシピ】。フランス・ニースでのレストラン、神楽坂の人気ワインバー[ビコック]などを経て、現在は夫婦でフランス料理のビストロ[松㐂(まつき)]を営む藤澤進大郎さん。第3回目の今回は「クエとフェンネル」を作っていただきながら、藤澤さんの料理における水の役割を聞きました。末尾のレシピもお楽しみに。クエに限らず、他の白身魚でも代用可能です。

「ちょっと前までは『美味しく、もっと美味しく』という料理を作っていた」という藤澤さん。今はそれよりも「素材本来の味を引き出すというか、通して美味しいというか。そういうのがいいのかな」と話します。
今回ご紹介するクエの料理も、クエと水、バターで味が構成されているレシピ。





「今日はクエのアラから煮出しただしを使いましたが、もしかしたら水でもよかったかもしれない」と藤澤さん。「クリンスイのこのアルカリ水なら、水だけで十分、クエのうまみやフェンネルの香りを引き出せると感じました」

フランス料理にはあまり水を使うイメージはないものの、藤澤さんにとって水は欠かせない「調味料」の一つでもあります。
「ハンバーガー屋さんでケチャップとかが入っている容器がありますよね。あの容器に水を入れて、常にコンロ脇の調味料と同じ場所においています。料理途中、加熱しているとどんどん濃くなるので、水を足して中和しています。ソースも使いますが、より素材の味を引き出したいときは水ですね」

シンプルな構成にするには、素材ひとつひとつの存在感、ポテンシャルが必要不可欠。野菜も、水も、調理料もそうした目線から選び直しているといいます。
「お店を作るときは、ここに合うものを選んだんですけど、2年半たって自分にとっての『より良いもの』の基準が更新されているのを感じます。その中で、クリンスイのような高品質な浄水器にも目が届くようになりました。すぐに全部を変えるというのは難しいので。意識しながら徐々に、少しずつ変えていっているところです」
いつも昼と夕方、2食を食べているという藤澤夫妻。ちなみに夕食はどんなものを食べることが多いですか?
「最近はピェンロー鍋ばっかり(笑)。椎茸でだしをとって、白菜、豚バラ、春雨。それを塩とごま油で食べる。アルカリ水で炊いたら間違いない味でした。単純なんだけど野菜の味が出ているんです」

一方で日常から離れ、例えばワインの造り手たちに会いに、山梨に行くときなどはBBQの食材を持って行く、と藤澤さん。「山梨は海なし県なので、魚がない。だから大きな魚を一匹持って行くと結構喜んでくれるんです」。このクエの料理も、山梨に持っていって作ったら喜ばれそう。

「大きな魚を分かち合って食べるのもいいですよね。この料理は香りの違う2種類のフェンネルを使うのがポイント。その香りを引き出すのが、アルカリ水の力なんです」

材料(2〜3人分)
- クエ(他白身魚でも代用可)300g程度
- フェンネル葉50g
- フェンネル・ソバージュ5g
- バター50g
- 浄水適量
- カブ2個
- カリフラワー1/2個
- ジッリ(パスタ)60g
作り方
- クエをおろし、身は切り身にし、アラは鍋に入れだしをとる。使う切り身に塩をしておく。
- 刻んだフェンネル葉にバター、浄水と塩を入れて加熱する。沸騰したら火から下ろし、ミキサーにかけてなめらかなソース状にする。
- カブとカリフラワーは一口大に切り分け、塩をふってオーブンで焼く。
- ジッリを浄水(塩水)で茹でる。
- グラタン皿にフェンネル葉(分量外)、フェンネルソバージュをしき、クエのアラでとっただしと浄水を入れ、火にかける。
- 沸騰したらクエ(塩をしたもの)を皮目を下にして入れ、蒸し上げる。
- すべての材料を合わせて味をなじませたら、火からおろし、盛り付ける。

今回、藤澤さんが使用したのは、美味しい水のブランド『Cleansui』のアルカリポットシリーズ「クリンスイ CP013」。電源を使わずに、浄水されたきれいなアルカリ水をつくれます。除菌も可能なフィルターで微細な雑菌や赤サビ、鉛までしっかり除去。プロダクトデザイナー柴田文江氏によるポットのデザインは、美しい曲線が印象的。キッチンにも食卓にもすっきりとなじむデザインです。
藤澤進大郎
1982年、東京生まれ。高校時代に[マキシムドパリ]でアルバイトを経験し、その後フランス料理の道へ。[オテル・ド・ミクニ」で8年間修行し、南フランスや東京のレストラン、ビストロなど各地の名店で腕を磨き、神楽坂の[ビコック]でシェフとして働く。 2017年、生まれ育った中野に[松㐂]をオープン。
CREDIT
- Photography by Yayoi Arimoto
- Text by Reiko Kakimoto
- Edit by Shunpei Narita