「心も体もリセットできる場所に」

——野村さんにとって〈eatrip soil〉はどんな場所ですか?
私も長年東京で暮らしていて、なかなか「ゼロ」になれる場所がないなと感じていました。ただぼーっとできる場所、リセットできる場所があればいいなと。この空間は「土」がテーマとお話しましたが、「土」という字は、「プラスマイナス」と書くんです。農家さんに教えてもらったのですが、人は土に触れるとプラマイゼロ、リセットされるのだそう。この場所で作業をしたり畑仕事をしたりしていると、まさにそうだなと実感するんです。心も体もリセットできる場所になっています。

——都会のど真ん中だとは思えない空間ですよね。
本当に気持ちがいいんですよ。夕日もすごくきれいで、満月の日は月を見に来る人もいます。畑にも自由に出られるので、子どもたちが寝転んだり、走り回ったり、畑にできたレモンをかじったりして楽しんでいる姿も。私の中で、子どもが楽しむというのがバロメーターになっていて、彼らは空気を読むし正直なので、子どもが楽しんでいる姿がこの場所の良さを物語っているなと思います。

——ここをどんな場所にしたいですか?
トークイベントやライブ、ワークショップなども定期的に開催して、人と人が話し合ったり考えたりする“場”にもなっています。できるだけコアなことをやっていきたいので、小さな規模でやりたいなと。発信することも、濃縮していれば広まっても薄まらないと思うんです。でも最初から広いところに向けてやろうとすると薄まったもののような気がしてしまって。いろいろと語るよりもライブ感を大事にしていて、ここで物や考えに触れて、それぞれに感じてもらえたらと思っています。

——野村さんのこれまでの活動や考え、想いが、立体編集されているようですね。
計画性はまったくないのですが(笑)。疑問に思ったことをみんなと共有してそれを一緒に形にしていくとどんどん繋がって。その繰り返しです。疑問や不安を解消するために、食を通して実現できたらと思っています。そのためにもこういった「場」は大事。インターネットやバーチャルもいいけれど、やっぱり見て、触れて、感じるリアルな「場」を大切にしていきたいですよね。

野村友里さん

のむら・ゆり/フードディレクター。〈eatrip〉主宰/料理人。長年おもてなし教室を開いていた母の影響で料理の道へ。ケータリングフードの演出や料理教室、雑誌での連載やラジオ出演などに留まらず、イベント企画・プロデュース・キュレーションなど、多岐にわたって活動中。2012年に〈restaurant eatrip〉(原宿)を、2019年11月に〈eatrip soil〉(表参道)をオープン。著書に『eatlip gift』『春夏秋冬おいしい手帖』(共にマガジンハウス)『Tokyo eatrip』(講談社)など。

〈eatrip soil〉
東京都渋谷区神宮前5-1-1-4F GYRE.FOOD内
03-6803-8620
11:00~20:00 月曜休
https://eatripsoil.com

ガラス浄水器 クリンスイ JP101-C 39,000円(+税)
https://shop.cleansui.com/crafts/glass/

連載記事は、Cleansui Knows Japanese CraftsのSNSにて配信中
https://www.instagram.com/cleansui_knows/

CREDIT

  • Direct by Harumi Fukuda
  • Photography by Yu Inohara
  • Text by Hitomi Takano